このたび、第29回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会を、2019年11月11日(月)から12日(火)の2日間、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場において開催させていただくことになりました。近くには伊勢神宮に次ぐ由緒ある大宮で、三種の神器の一つであり草薙神剣が祭られている熱田神宮があります。学会場は、JR中央線金山駅で地下鉄(名城線あるいは名港線)に乗り換え、西高蔵駅あるいは日比野駅から徒歩5分のところにあります。
学術集会のテーマは、「医療技術の進歩と呼吸ケアの新たな展開」といたしました。昨今、医療技術の進歩は著しいものがあり、呼吸ケアに関しては、人工呼吸器およびCPAP機器の進化、HFNCの登場と普及、遠隔医療および医療連携ツールの開発などがその代表と言えます。進歩した医療技術の限界を知り、適切に正しく使うことが重要です。また、医療技術の進歩には企業も含め多職種の方の参入が必要となりますが、これが一方通行では良い成果物は得られません。今後、産学官の連携が重要になってくると思われます。一方、病院での療養から在宅医療へとシフトしていく中で、在宅での受け皿と連携の問題や、慢性呼吸器疾患患者の高齢化、独居や老老介護の増加に伴う様々な問題が生じています。中でも、終末期医療を含めた在宅呼吸ケアの在りかたが問われていると思います。
本会は、医師、歯科医師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、栄養士、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、言語聴覚士、介護福祉士、その他の関連職種従事者など多くの職域の方々が参加する、他に例をみない学会です。異なる職種の知識や技能を共有し、呼吸ケアの進歩発展と普及に寄与し、多職種からなるチーム医療による全人的な呼吸ケアチームの構築を目指すものと考えています。私は11年前に信州大学医学部呼吸器・感染症内科から現職の同保健学科生体情報検査学領域に異動となり、看護学専攻、理学療法学専攻、作業療法学専攻、検査技術科学専攻の生理学を担当しています。保健学科に異動するまで正直、保健学科の教育内容については良く知りませんでしたが、研究も含め非常に高度な教育内容で、医師の知らないことがたくさんあることに驚きました。また、他学部や企業との共同研究の機会も多くなり、我々医療職者が果たすべき役割も理解しつつあります。
久保惠嗣先生が大会長を務められ、松本で開催された第21回呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会では事務局を担当させていただきましたが、この時の会員数は1829名でした。現在はその倍以上の4000名を超えており、さらに増えていくと思います。本学会の役割の1つとして、次世代の呼吸ケア・リハビリテーションを支えていく若い研究者および専門医療職者を育てていくことが重要であり、本会では多数の方に日頃の研究成果を発表いただく場を提供したいと考えています。開催期日が今までと異なり、unusual でありますが、多くの会員の方々にご参加いただけるようお願い申し上げます。